カフェ・スワロウ ~ブライトンの朝~
こんにちは。
本日は、只今横浜そごう美術館で展示中のドールハウスのご紹介をします。
製作過程は1月7日と1月14日のブログに書きましたので、後で見直していただいてもおもしろいかもしれません~。
今日は完成図をお見せしますね!
全体図はこんな感じです☆
イギリスの海辺の町ブライトンにあるカフェ、という設定で製作しました!
前面と上部がオープンのボックス型ドールハウスで今回は脚が付いています。
サイズはw.300 D.165 H.255mm で私の作品としては、まぁまぁ大きめ。
右側はカフェスペース。
あえてシンプルなデザインです。
ドールハウスにはドアを設置するのが好きです。。。あのドアの向こうはどうなっているんだろう?と見ていただく方に想像していただきたいから ^m^!
白いドアは予定していた通りに出来てお気に入りです♡
左側はカフェのキッチン(厨房)スペースです。
コチラ側はあえてゴチャゴチャにして、忙しかった朝の仕込みを表現しました。
上から見るとこんな↑感じ(^^)/。
実はこの作品、原案段階では2つのドールハウスでした。
”カフェ・スワロウ”は右側のスペース。
名前の由来になったスワロー=つばめは、この鳥のパーツを見つけたことがきっかけでした。
カフェの壁に飾りたい!というところからスタートしました。
この金属のパーツは現行の物ですが、リアルなのにかわいくてとても雰囲気があります。
海外のビンテージショップでよく見かける、鳥モチーフの壁掛けオブジェを(陶器が多いけれど)
イメージしました。
3つはセットになっていたわけではないのですが、小さい方が子供に見えたりもして試行錯誤しながらこの位置に設置しました。
飛んでいる鳥のモチーフが個人的に好きで、このウエブサイトのアイコンもツバメさんです^^。
このドールハウスのテーマカラーはブルーのグラデーション。紺にグレーを混ぜたようなスモーキーカラーのトーンを少しずつ変えて入れています。
テーブルはナチュラル感も残しつつビンテージ風に木目を生かして塗りました。
カフェのエリアは1960年代のイメージで製作しました。
ユニセックスで、モダンなスタイルとナチュラルなものの融合を目指しつつ。
壁に飾ったブライトンのポスターは多分1920~30年代のデザインのものですが、色とモダンさがイメージにピッタリでした。
テーブルの奥にはベンチスタイルの長椅子が設置されています。
手前の椅子2脚は接着していません。
このカウンターは重要な役目を果たしてくれています。空間を分けることと、
下手をすると普通のおうちのキッチンとダイニングテーブルにも見えてしまうので、カフェらしさを出すのになくてはならない存在でした。
カウンターにはテイクアウト用の紙カップやポット、紅茶の入ったカップ&ソーサーやホールケーキのお皿がのっています。
ケーキのショーケースは絶対入れようと思っていたアイテムです。
バノフィーパイ、スコーン、ジンジャーブレッドにビクトリアサンドイッチケーキ、、、ショーケースの中にはイギリスらしいお菓子が入っています。
いくつかは単品でも販売していましたね。
1/14のブログに載せた、メニューの黒板はキッチンの窓の隣にかかっているのですが(完成品の写真には撮れてなくてゴメンナサイ!)ちょうどカウンターから見える位置にかかっており、本日のお菓子メニューが書かれています。
上から見ると意外とアクセントになったのが赤いアルミホイルの箱でした(^-^)。
カフェのオーナーが作業中にちょっとそこに置きました、という感じにしたかったのです。
私の妄想上ではお店の外観はレンガ造りですが、このドールハウスでは外観まで作り込めなかったので少しでもその雰囲気を入れたくて、柱の一部をレンガ造りにしました。
ほんのちょっとのスペースですけど、私的には入れられて良かったなと思っています。
さて、キッチン側にまいりましょう。
予想以上に重くて設置が大変だったシンク。急遽、強力な接着剤をお取り寄せしました。
先程、原案は2つのドールハウスだった、と書きました。
キッチンエリアは”ブライトンの朝”という題の作品でした。
ブライトンが好きだという話は以前何度かブログで書いたと思うのですが、ブライトンはイギリスの南東部の海辺の町で、観光地として有名です。
アンティークの買い付けで英国によく行っていたその当時、ロンドンから比較的行きやすかったことや大きな野外の蚤の市があったこと、サウザンプトンに友人が住んでいたこともあり、その近くのエリアに何度も足を運びました。
静かで小さなアンティークのかわいい町ライや、ヴィクトリアン時代の残り香が漂うヘイスティング、おとぎ話のようなお城の町アランデル、ティーハウスがいっぱいあった女王様の避暑地ワイト島など魅力的な場所がたくさんあります。
その中でもブライトンは大きな町で、リゾート観光地やパーティタウンとして紹介されていることが多いのですが、私のイメージは少し違います。
ロンドンから日帰りで来れることもあり、日中の中心地は人がごった返している場所もあるのですけれど、夕方以降はひっそりとした静かな雰囲気になります。一般の人とは違い、逆に私はブライトンに宿を取って日中は他の町にアンティーク探しに行っていることが多かったので、夕方帰ってくる場所という感じでした。たまたまですが海の近くのホテルに泊まることが多かったので、静かなエリアだったのかもしれません。
ヴィクトリアン時代に栄えたブライトン。ヘイスティングと同様にその残り香が漂い、どこかメランコリックで退廃的な姿を見せる町というのが私のブライトンに対するイメージ。
ちょっと意味が違うかもしれませんが、”つわものどもがゆめのあと”的な、、、宴の後とでもいうのでしょうか、、、そう、夏の終わりの(夕方の)もの悲しさにも少し似ています。
その象徴となっているのが、ブライトン・パレス・ピア。1899年に完成した桟橋ですが上が小さな遊園地のようになっています。
(想像がつかない人は検索してみて下さいね(゚∀゚)!
数年前に実家に帰った時、壁にかかっていた化粧品のおまけのカレンダーが、このブライトン・ピアの夕暮れの写真でした。”終わったら取っておいてね!”と言ったのを母が覚えていてくれて、その切り抜きは私の作業台の目の前にあります。シンプルな額に入れたらまるでそれは窓枠のようで、ブライトンのホテルの窓から見えた風景を想い起こさせてくれます。
その写真を毎日見ていたら、この風景が見える(設定の)ドールハウスを作りたくなりました。
・コの字型のキッチンで、大きな窓から海が見える
・夕方だと寂しいので朝にしよう!
・朝ごはんを作っているところ
・朝ごはんはパンケーキがいいなぁ、、、
もうこうなると私の妄想は止まりません(爆)。
(;'∀')
別個で考えていたカフェ・スワロウとテーマカラー(スモーキーブルー)が同じだったこともあり
この2つを一緒にする挑戦をしてみることにしました。
静、のカフェ部分と、動、のキッチンを、同じ空間に入れて対比させてみるというのもやってみたかったことの1つです。こうすることによってキッチンに人がいた気配もするかなぁ?と考えました。
そうなったら、朝食を作っている人はカフェのオーナーで、
慌ただしい一日が始まる前にカフェのキッチンでオーナーが自分の朝食を作っている、というシーンになりました。
モダンなカフェですが、イギリスによくある古い建物を使っているとしたかったので、キッチンは少しレトロさを残します。
早朝から忙しくケーキの仕込みをして一段落つき、開店前に自分の朝食用のパンケーキを作っている、パンケーキを焼く間、窓の外に見える海に浮かんだパレス・ピアをぼーっと見ている、ってシーン。(←細かっ!)
窓の外にその例の写真を置いてみたのですが、写真を撮るのはなかなか難しい~~~
(*´Д`)。
↑この写真、好きです♡
何だか朝のカフェの厨房にいる気分になります。皆様にもそんな気分になっていただけたらなぁ!
こちらの作品は、5月15日(日)まで横浜そごう美術館にて実物をご覧いただけます。
盛り沢山な展覧会ですし、肉眼では細部までじっくり見えない部分もあると思いますので、本日のブログで製作の裏話をお伝えできて嬉しいです。
この作品は今後当ウエブショップにて販売予定です。
何かご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さいね。
文章なしの写真のみは、こちらのギャラリーページでもご覧いただけます。
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